住宅の増改築に関わる税金と減税制度
▼目次
住宅の新築時には、あって当然と理解していても、大規模なリフォームや増改築時には、税金のことはうっかり忘れてしまいがちです。大阪でも新築住宅を取得する時には、諸費用として税金や、各種手続きのためのお金を用意します。増改築やリフォームの際にも、同様に雑費や税金のためのお金を用意しておきましょう。
ここでは、リフォーム、増改築実施に必要となる税金の種類に合わせて、対象となる可能性のある控除制度についても紹介します。
なぜ増改築や大規模リフォームで税金がかかるの?
新築住宅を建てるときも、様々な税金や手続き費用がかかります。契約時の印紙税や不動産取得税など、覚えてらっしゃるかもしれません。増改築、大規模リフォーム時にはそのような税金がかかります。
でも、なぜそれらの費用、税金がかかるのでしょうか。
それは、建物の価値が変化するためです。増改築の結果、床面積が変われば建物の資産価値が変動します。増築すれば「新たな不動産を取得した」とみなされ、不動産取得税がかかるのです。そして価値が変動すれば、当然固定資産税も変化します。
また、増改築工事や大規模リフォーム工事では、業者と契約し工事を依頼することになります。すると、工事の請負契約書に貼る印紙税が必要になります。
ローンを利用するなら、登録免許税もかかります。 建物の価値が変わらない、小規模のリフォームなら税金はかかりません。例えばDIYで壁紙を一部張り替えた程度では、税金はかかりません。
関連記事:リフォームの料金・費用の相場を紹介!部位別、種類別で徹底解説
増改築、大規模リフォームでかかる税金、費用
前項でも紹介した税金や費用について、算出方法や金額も合わせてまとめてみましょう。
名称 | 税(費用)の詳細 | 金額もしくは算出方法 |
---|---|---|
印紙税 | 契約書締結時に金額に応じてかかる収入印紙。契約書は2部作るので施主と業者が1部ずつ負担する。 | 契約額300万〜500万:2,000円 契約額500万〜1,000万:10,000円 |
登録免許税 | 抵当権を設定し、リフォームローンを利用する場合、抵当権設定登記をするためにかかる税金 | 抵当権額の0.4% |
不動産取得税 | 増改築で住宅価値があがった場合、対象となる税金 | 増築後の床面積が240m2を超えたとき、増築部の評価額の3% |
固定資産税 | 住宅の価値があがったとき、翌年以降の固定資産税が変動 | 調査によって評価されます |
建築確認申請費用 | 床面積が10m2を超える増改築の場合、自治体もしくは指定団体の建築確認が必要になります。 | 申請費用+業者に依頼する提出用設計図面の費用(規模により変動あり) |
登記費用 | 増改築で床面積に変動があった場合、法務局へ登記が必要です | 土地家屋調査士にへの依頼費用 (10万〜数十万円) |
固定資産税はただちにかかる費用ではありませんが、建築確認申請費用のように、事前に提出するものもあります。増改築工事、リフォーム工事を計画する際は、これらの予算もあらかじめ組みこんだ予算計画を建てるようにしましょう。
増改築、リフォーム時に受けられる様々な控除
こんなに色々な税金や費用を取られるのか、と考えるとうんざりしてしまいますが、リフォーム、増改築時に利用できる様々な減税制度があります。
新築住宅の取得時に、支払い残高に応じて所得税が控除される仕組み(住宅借入金等特別控除)があることはよく知られています。この制度は、ローンを利用して増改築やリフォームを行った場合でも利用可能です。
更に、リフォーム、増改築の場合、耐震、バリアフリー、省エネの3つのいずれかの要件を満たす場合、更に有利な減税制度を利用することができます。
ローンを利用して省エネ、バリアフリー工事を実施した場合
「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という控除制度を受けることができます。
個人の自宅用の住宅に適用される制度で、年末の残高に応じて所得税から控除を受けることができます。「住宅借入金等特別控除」に比べて、省エネ工事、にかかった費用分の控除率を割増して控除額を計算します。以下はその計算式です。
A:増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額のうち、特定断熱改修工事等に要した費用の額の合計額に相当する部分の金額(上限250万円)
B:増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額(上限1,000万円)
A×2%+(B-A)×1%=控除額(最高12万5千円)
適用条件等の詳細は、以下の国税庁ホームページをご覧ください。
参考:国税庁:No.1217 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
同様の控除が、バリアフリー工事、多世帯同居改修工事でも受けることができます。
耐震工事を行った場合
「住宅耐震改修特別控除」の対象となります。 この控除制度は、昭和56年5月31日までに建築された自宅用の住宅を、現在の耐震基準に適用するように工事を行った場合に適用されます。耐震基準を満たしていることを証明する書類(「増改築等工事証明書」や「住宅耐震改修証明書」)が必要です。 控除額は、いつ工事を行ったかによって若干基準が異なるのですが、おおよそ工事費用の10%(上限20万円)です。
参考:国税庁:No.1222 耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)
ハウスメーカー担当者、地元税務署にも相談をしよう
思った以上に、多くの税金や控除制度があり、混乱してしまいそうです。増改築を依頼する工務店やハウスメーカーの担当者や地元大阪の税務署にも確認し、控除制度を上手く活用しましょう。減税制度は期間限定のものが少なくありません。最新の情報は、国税庁のHPでチェックするか、地元税務署に確認するようにしましょう。